「道徳科」の評価をつかもう!STEP6評価の実践に向けて

STEP6

道徳の評価と指導方法の全体像

全体像

評価手法について

ここでは、教育活動で活用可能な評価の手法について、特に、道徳教育に係る評価等について検討される中で採り上げられたものを中心にまとめました。

1ポートフォリオ評価

一年間書きためた“ 道徳学習ノート” や感想文・作文、ワークシートなどの蓄積物(ポートフォリオ)から、児童一人一人の学習状況や道徳性の成長の様子を見取る。

自己評価

「道徳科」においては、一時間の授業を通じて児童が印象に残ったことや考えたことを率直に記録として残す。
蓄積された自己評価の記録は、本人の成長の振り返りに役立つポートフォリオとなる。
自己評価などにおいては、アンケート式や印象点(数値や記号)による方法が可能。

2パフォーマンス評価

一定の課題を設定し、学習の結果、その課題解決に対してどのような状況に至ったかを評価する。問題解決的な学習に向く。
また、解決にどれくらい近づいているかを判断する指標はルーブリックと呼ばれる。

ルーブリックの設定

課題を解決していると考えられる状態を最終段階とし、そこに至るまでの道筋を数段階に分けて設定する。
児童の実態が、課題に対しそれぞれどういう段階あるかがルーブリックから選択できるので、「達成度評価」の側面もある。
ただし、課題解決の方法・経緯やあり方が道徳の場合は児童によって千差万別なので、各教科の評価とは異質なものである。

3エピソードによる評価

児童の行動や発言の様子を日常的に見取った特記事項を、メモや教師のノートにエピソードとして記録し蓄積した結果を分析して評価する。
児童一人一人の長所短所が見えやすくなる。

4多面的に行う評価

限定的な定点観測でなく、様々な場所や時間帯、生活場面で見せる児童の多様な表情に配慮することを重視する。
一面的な観察結果や教師の先入観が覆る場合があるので、配慮が必要である。

5チームで行う評価

道徳の評価は担任を中心に行うが、その確度や信頼を高めるには、複数の人で見取っていくことが重要になる。
清掃活動や縦割り学習の場面、休み時間の過ごし方、児童会の活動などは、すべての児童の様子を、学年及び全校の教師が互いに見守りあう。
学校外の様子については、保護者や地域住民(学校サポーター等)の方々の協力が欠かせない。
それらの情報を交流して担任が集約し、より精度の高い評価に役立てる。

効果的な道徳の評価ツール

道徳の評価が記述によるものとされたことにより、その根拠となる記録を備えることが必須となりました。
ひと口にポートフォリオと呼ばれますが、多種多様です。ここでは、従来から用いられることの多かったものを参考に整理してあります。

道徳ノート(道徳用学習ノート)

児童の学習履歴として、活用度の最も高いツールです。

ワークシート

「道徳科」の授業において、教材の内容や登場人物に自我関与させる目的での利用を中心とし、年間のポートフォリオとして、「道徳ノート」とともに活用したいところです。

記述を含むアンケート

一定のテーマをもって、児童の意識を調査したり、考え方の傾向を明らかにしたりするために、選択式回答と記述式回答の両方を備えたアンケートを機に応じて行います。
選択式回答は統計的な処理(全体に占める割合を求める)に向き、記述式は集団的な傾向と児童個々に固有の意識を見取ることができます。

(教師用)備忘録ノート

児童の道徳性に係る様子のエピソードを集約する目的で使用します。
児童ごとのセルフページを作ったり、見取った場面ごとに区分のある紙面にしたりすれば、一人一人の行動傾向を見出しやすく、その背景の分析にも役立ちます。
常に携帯することを重視すれば、小判のノートが有利となります。その場合は、あえて細かな区分は行いません。
 そして、これらをエピソードとして蓄積することにより、個々の児童の特性(そのよさと課題)が見えてくるので、児童の努力や成長を励ます材料となります。評価活動の基盤である、教師と児童の人格的に触れ合う機会が増え、共感的な理解が成立しやすくなります。

道徳教育の評価 年間サイクル(例)

図)道徳教育の評価 年間サイクル(例)