「道徳科」を始めよう!STEP3 「道徳科」授業編

STEP3

現在,道徳の指導過程が改善を迫られています。

従来の基本型をさらに「考え、議論する道徳」へと進化させている最中といえます。そのような学習指導案改善の「考え、議論する」方向性は「道徳科」に限ったことではありませんが、まずその基本的な考え方を確認しておきましょう。

道徳科指導案の要素

実際に指導案を書く前に考えることを以下に示します。

1ねらい年間指導計画を踏まえて指導の内容や教師の指導の意図を簡潔に記述します。
2指導の要点ねらいに関わる児童の実態と、それを踏まえた教師の指導観を明らかにし、各教科等の指導との関連を検討して指導の要点を明確にします。
3教材の吟味教科書や副読本等の教材について、授業者が児童に考えさせたい道徳的価値に関わる事項がどのように含まれているか検討します。
4学習指導過程を
構想する
児童がどのような問題意識をもって学習に臨み、ねらいとする道徳的価値を理解し、自己を見つめ、多様な感じ方や考え方によって学び合うことができるのかを具体的に予想しながら、それが効果的になされるための授業全体の展開を構想します。また、その構想にあたっては、指導の流れ自体が、特定の価値観を児童に教え込む展開にならないよう十分に注意します。児童が道徳的価値に関わる内容を主体的に考え、また、児童相互の話し合いを通してよりよい生き方を導き出していく展開のほうが望ましいものです。

指導過程の新しい考え方に基づいた多様な工夫のあり方(例)

低学年(1年) 「はしの 上の おおかみ」の展開例

発問
1
「もどれ、もどれ」というおおかみは、どんな気持ちでしょう。
2
くまの後ろ姿を見送りながら、おおかみはどんなことを思ったでしょう。
3
「みんなを渡してあげるおおかみは、どんな気持ちでしょう。
4
「これまでに、人に親切にしてよかったことはありますか。
そのときは、どんな気持ちでしたか。
多様な工夫

例1役割演技【アクティブな学び】

  • みんなで劇をしながら、おおかみの気持ちを考えましょう。役割は~
  • 演技を始めてください。
  • (1の場面で)ここで、劇を止めましょう。→1の発問へ。
  • 劇をしたみんなは、どうでしたか。では、劇を続けましょう。

例2言語活動の工夫(話合い活動)

  • 考えたことを、となりの友達や、グループの他の友達とも話し合ってみましょう。
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中学年(4年)「雨のバス停留所で」の展開例

発問
1
よし子の行為を、どう思いますか
2
軒下で雨宿りをしているときのよし子は,どんな気持ちでいたでしょう。
3
バスが見えて、雨の中へ駆け出したよし子はどんな気持ちでそうしたのでしょう。
4
よし子を連れ戻したお母さんは、どんな気持ちなのでしょう。
5
きまりをやぶりそうになったとき、何と言って自分を止めますか。
6
「みんなのためのきまり」について、どのように考えますか。
多様な工夫

例1問題解決的な学習

発問1
よし子のしたことをどう思いますか。
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(児童の考えを受けて)今日は、「みんなのためのきまり」の意味について、考えましょう。

例2言語活動の工夫(書く活動)【アクティブな学び】

発問5
きまりをやぶりそうになったとき、何と言って自分を止めますか。
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短冊に書いて、みんなで見合って考えを広げましょう。

例3主体的な学習

発問6
「みんなのためのきまり」について、どのように考えますか。
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(導入できまりの意味を考えておき)「みんなのためのきまり」について、学習の前後でどのように考えが変わったり、確かになったりしましたか。
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高学年(5年) 「手品師」の展開例

発問
1
心に残ったことはどんなことですか。
2
迷いに迷う手品師は、どんな気持ちだったのでしょう。
3
手品師は、これでよかったと思いますか。
4
たった一人の客(男の子)の前で演じながら、手品師はどんなことを思ったでしょう。
5
あなたの中にある誠実さとは、どんなものですか。
多様な工夫

例1問題解決的な学習

発問1
心に残ったことはどんなことですか。
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(児童の考えを受けて、)今日は、「手品師はなぜ、男の子のもとに行ったのか」をみんなで考えましょう。

例2多面的な思考を促す

  • 「自分の夢をかなえたい」「約束を守る自分でいたい」「男の子を見捨てるわけにはいかない」など、さまざまな思いがあって、迷っているのですね。

例3多角的な思考を促す

  • 手品師の迷いや判断について、自分を見つめて考えてみましょう。
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