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中学校道徳

掲載日:平成25年8月9日

1年 全員参加の楽しい道徳の時間に!

島根県松江市立中学校

1 はじめに

 道徳の時間に気兼ねなく自分の思いを語るためには,学級のよりよい人間関係づくりが大前提である。しかしそれでもなお,重苦しい沈黙に包まれたり,一部の生徒の発言を中心に進めてしまったり...。過去の授業を振り返ると反省することしきりである。どうにか,生徒も,私自身も「意見が言えて,すっきりした」 「楽しかった」と思える時間にしたいという願いから,次のような工夫をしながら授業を進めている。

2 授業実践① 「全員必ず意思表示」

(1)主題名 責任をもった誠実な行動
1 ー(3)
(2)資料名 「気まずい時間」
(出典: 「かけがえのないきみだから」1 年 学研)
(3)ねらい
 自らの規範意識を高め,自らを律し,自己の行為の結果に誠実な責任をもって対処しようとする態度を育てる。
(4)展開

〔発問1〕

男の人に携帯電話のことを注意され,腹を立てた「わたし」をどう思いますか。

  • その気持ちはよくわかる → ○
  • 腹を立てるのはおかしい → ×
  • どちらとも言えない   → △

 それぞれに○×△の札を配っておき,よく考えさせた上で全員に意思表示をさせる。それぞれの札を掲げた生徒たちに,詳しく意見を聞いていく。その際,自分自身も同じような経験があれば話すように促す。 (特に○,△の札の生徒)

S1(○)
「悪いとわかっていることを人前で厳しく注意されたりすると腹が立つと思います。 」
T
「自分も同じような経験があるのかな?」
S1
「同じではないけど,テスト前に,いけないと思いつつ,ちょっとだけと思ってテレビを見ていて,母に厳しくしかられたりすると,逆ギレしてしまうときがあります。 」
S2(△)
「注意されて当然だと思うけれど,もうちょっと注意する側も言い方があったのではないかと思います。 」
T
「どんなふうに?」
S2
「いきなり怒鳴るんじゃなくて,小さい声で言うとか...。 」
S3(×)
「自分がマナー違反をしているのにキレてふてくされるのはおかしいと思います。 」

〔発問2〕

男の人への気持ちが感謝へと変わっていったのはなぜでしょう。

(生徒の反応等省略)

〔発問3〕

今後,もし自分が間違ったことをしていて, 公の場で注意されることがあったら,どうしますか?

  • 素直に認める    → ○
  • やはり腹が立つかも → ×
  • わからない     → △
S4(○)
「素直に認めて謝るようにしたいと思います。 」
S5(○)
「心の中ではいやだなあと思うかもしれないけれど,自分が悪いのだから謝った方がいいと思います。 」
S5(×)
「人前では恥ずかしくて,悪いと思っても謝ることができないかもしれません。 」
S6(△)
「まずそういう間違ったことをしないようにした方がいいと思います。その方がお互いいやな思いをしなくてすむから。 」
T
「そうだね。注意する方もいやだよね。 」
S7(○)
「勇気を出して注意してくれた人の気持ちや立場を考えてみるといいと思います。

(以下略)

(5)考察
 この授業に限らず,発問に対して,写真のような小道具を使うことがよくある。
 赤と青の円グラフは,動かせるようになっており,場面ごとに揺れ動く自分の気持ちを表現するのに使うことができる。
 こうした小道具を使う利点は下記のようなものである。
  • 一人一人が必ず意思表示するので,授業の傍観者となる生徒がおらず,積極的に話合いに参加できる。
  • 「なぜ○にしたか」という理由を述べればよいので,生徒自身が発言のきっかけをつかみやすく,理由を具体的に話すことができる。 ( 「いけないと思う」で発言が終了するようなことがない。 )
  • 生徒同士も,教師も,表示を見ることでお互いの考えを一目瞭然につかむことができる。

 また,「他の人の意見を聞いて,変えても良い」と事前に伝えておくと,話合いの途中で立場を変える生徒もいて,それがまた発言を引き出す機会にもなる。

3 授業実践② 「マンダラートで発想豊かに」

(1)主題名 自然との心のつながり 3ー (2)
 
(2)資料名 「夏の思い出」
(出典: 「かけがえのないきみだから」1 年 学研)
(3)ねらい
 ふるさとの自然のすばらしさを感じ取り,自然と心のつながりを大切にして共に生きていこうとする態度を養う。
(4)展開
〔発問1〕
父から平野さんたちの思いを聞いた「わたし」はどんなことを感じたでしょう。
〔発問2〕
自分たちのふるさとの良さをグループで話し合ってみましょう。

 このグループでの話合いに「マンダラート」 (3×3の9マスの中に考えた事柄を書き込む発想治)を使い,話合いを進めていく。通常は中央のマスにテーマを入れることが多いが,今回は「ふるさとの良さ一押し」を真ん中に配し,そのほか思いつくものを次々と周囲のマスに挙げさせることにした。それを後ほど黒板に掲示し,各グループで発表しあった。

(5)考察
 図書館を活用した調べ学習をする際のテーマ決めに使っていたマンダラートを,道徳の話合いで使ってみた。必ず9つの枠を埋めるというところがミソで,たいてい6~7枠は普段思いつく,通り一遍の内容で埋まるが,絞り出した残りの2~3枠に各グループの個性が表れてくる。ふるさとの自然と関わった意外な思い出話などが飛び出して,楽しい時間を共有することができた。

4 おわりに

 重いテーマをじっくりと考え,自分の心に落としていく時間も必要であるし,静かに感動を味わうことも大切なことである。内容項目ごとに,資料とそれを活用するてだてをさまざまに工夫して, 「今日の道徳は何をするのだろう」と楽しみにしてもらえるように今後も努力していきたい。