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中学校道徳

掲載日:平成25年12月10日
2年 日々の生活や今の自分があることへの感謝

青森県八戸市立市川中学校 教諭 下村ゆう

1. 主題名 感謝2-(6)

2. 資料名「震災のあと」

 出典:郷土資料にかかわる実践事例集    青森県教育委員会

 あらすじ

資料前半
 ゆき子の家は被災し、家族は無事だったが犬のクロはおぼれ死んでしまい、家財道具もほとんどが流されてしまう。喪失感にさいなまれるゆき子だが、友達のミキの書き置きや級友の懸命な支えにより、次第に活力を取り戻していく。
資料後半
 3日ぶりに登校したゆき子は懐かしいような、落ち着かないような不思議な気持ちになる。親友のミキに抱きしめられ、涙が止まらなくなるゆき子だったが、友人の父親が被災地に派遣され、地域の体育館が今も海水につかっていることを聞き、「つらいのはじぶんだけではない」という思いを強くする。そして再び目標に向かうことを決意し、震災で多くの人からもらったものを今度は自分が多くの人に伝えなくてはいけないと思うのだった。

3. 主題名

 多くの人の善意や支えにより、日々の生活や今の自分があることに気付き、感謝をもってそれにこたえようとする態度と心情を育てる。

4. 学習過程

・導 入
問題の意識化
地震が起きたら、どんなことに困るだろう。
・展 開
価値の追求・把握
資料を読んで考える。震災が起きて、ゆき子の身の周りはどのように変わったか。
ゆき子が震災を通して気づいたことは何か。
・まとめ
価値の深化
ゆき子が伝えたいと思っているものを考える。
※留意点 ◇評価

5. 授業の流れ

導入5分

①災害時にどのようなことに困るか考えさせる。
 震災時の資料なども提示し、危機的な状況を想像させる。

資料前半のみを読む。生徒に発表させながら板書していく。想像以上に厳しい状況であったことを想像させる。
展開30分

②ゆき子の気持ちを考えさせる。

ゆき子の暗い気持ちや悲しさを想像する。自分に同じことが起きたらどうなるかを想像させる。(ワークシートへの記入→発表)

③他の友達はどのような気持ちでゆき子のところに来たのかを考えさせる。

自分の友達が困っていたら自分はどのような行動をとるかを考える。思いやりの気持ちで集まった人がほとんどだが、「興味本位に見に来た人もあったのでは?」と揺さぶりをかける。(ワークシートへの記入→発表)

◇ゆき子への思いやりの気持ちを想像することができたか。

④ゆき子が震災を通して気づいたことは何かを考えさせる。

資料後半を配付する。ゆき子が再び目標に向かって 歩み出した気持ちを確認し、資料を最後まで読んだ感想をワークシートに記入させる。

◇ゆき子が前向きな気持ちになれた理由を考えることができたか。

まとめ15分

⑤ゆき子が伝えたいと思っていることは何かを考えさせる。

ゆき子が伝えたいと思っているものは何かを考え、ゆき子がこのあとどのように生活するか、どんな大人になるかを考える。
ゆき子が伝えたいと思っている感謝の気持ちをおさえる。また、ゆき子がどのような高校生になるか、大人になったらどのような行動をするかなども具体的に想像させ発表させる。ボランティアなど特別なことをするだけでなく、毎日を懸命に生きること、感謝することが大事だということにも気づかせたい。さまざまな愛情のなかで我々が生活していることを 感謝する教師自身の説話も入れる。

◇ゆき子が感じている感謝を具体的な文章で表現することができたか。

6.指導上の留意点と工夫

震災で被災したり、家族を失ったりしている生徒がある場合、配慮が必要である。
ゆき子がかわいそうだということに終始してしまうのではなく、ゆき子が前向きにこれからの生き方を考えている点に着目させたい。
さまざまな人が厳しい状況の中にあって道徳的実践をしたことにも触れたい。
指導例は指導内容の項目を2-(6)としているが2-(3)友情や2-(2)向上心を指導の中心とした展開も可能である。その際は「みき」やボランティアに来た友人に焦点を当ててその心情を掘り下げ、「自分だったらどのような行動を取るか」などを話し合わせることもできる。
「ゆき子はどんな大人になるか」を考えさせると展開の幅が広がる。ボランティア活動や人道支援をするという意見の他にも、特別なことに携わらなくても、一人の大人として災害に備えるとか、節電するとか、さまざまな意見が出る。
「ゆき子は自分の子供にどのようなことを伝えるか。」を考えさせ、意見の交換をしたり、ゆき子の立場でロールレタリングすることもできる。ぜひ、今あることへの感謝とともに、未来に目を向ける姿勢を育てたい。
※この実践例は青森県教育委員会道徳郷土サイトに掲載された資料です。資料につましては、こちらをご参照ください。