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中学校保健体育

掲載日:平成25年5月31日

1年 健康とからだ

岡山県瀬戸内市中学校

1 授業の概要

(1) 授業の目標
教科体育としての「保健分野」の特性及び「特別活動」の特性を踏まえ,相互の関連を図ることにより,「個人の健康づくりの資質 や能力の育成 を図るとともに,その健康の実現のための環境づくりができる生徒を育成する」ための指導方法を,保健体育科と特別活動を中心にしながら全教育活動を通して,包括的・実践的に取 り組む。
(2) 授業の仮説
教科体育の「保健分野」において,専門分野の方の講演や講話を聴くことにより,知識・理解が深められるとともに,生徒自身の身体 や健康に対する意識が高まると考える。また,地域の関係者の方に,学校教育の内容や生徒の様子を見ていただき,学校の様子を理解していただくことにより,今後の地域の方との交流を深めながらの健康づくりに発展していく可能性があるのではないかと考える。
教科体育保健分野での保健学習に関する内容について,専門の講師の方の講話(講演)を聴くことにより,生徒が学習内容についてより一層興味関心を示すとともに,保健学習での内容が深められたのではないかと考える
教科体育「保健分野」の特性と「特別活動」の特性を全教育活動と関連づけ,課題や生徒の活動場面を工夫することによって,意欲をもち,自ら考え,お互いに高め合う生徒の育成ができるのではないかと考える。

2 授業実践

(1) 授業の内容

地域の人材(ゲストティーチャー)を生かした授業

ア 第1学年(1学期実施)
(ア) 「妊娠と出産及び生命の誕生」について・・・助産師さんの講話と懇談会
イ 第3学年(2学期実施)
(ア) 「感染症の予防」について・・・産婦人科の医師の講演
(2) 授業の実践
① 地域の人材(ゲストティーチャー)を生かした授業について

第1学年での「性機能の成熟」という単元の学習を2時間した後,1時間ゲストティーチャーをお招きして,2時間の授業での質問事項や疑問点についての「質疑応答」と助産師としての立場から,「妊娠と出産から生命の尊さを考える」ということについての講話をいただいた。

ア 授業実践
(ア) 保健授業(1年A・B・C・D組)
a 性機能の成熟・・・2時間
  1時間目 2時間目
A組 6/23(金) 6/30(金)
B組 6/15(木) 6/26(月)
C組 6/27(火) 6/28(水)
D組 6/14(水) 6/28(水)
(イ) 講話   ・・・1時間

A組:7/10(月)1校時

B組:7/10(月)2校時

C組:7/ 5(水)1校時

D組:7/ 5(水)2校時

  1. 題材「二次性徴と命のつながり」
  2. 講 師  ★★ ★★ 助産師
    (母乳と子育て支援の「◎◎◎◎」)
  3. 学習活動
  • 今の自分の命は,誰から授かったものについて考える。
  • 二次性徴に伴う体の変化を復習する。
  • 排卵・月経について復習する。
  • 射精について復習する。
  • 妊娠・出産・子育てについて,体験談を聞く。
(ウ) 保健授業(1年A・B・C・D組)
  1. 性とどう向き合うか・・・1時間
  • ねらい
    氾濫する性情報に正しい判断力と適切に対処する態度を養う。
  • 学習活動
    性教育の書物と性描写の多い漫画や雑誌及び出会い系サイト関連記事を見て感じたことや違いをブレインストーミングで出し合う。

3 授業の成果と今後の課題

(1) 授業の成果
ゲストティーチャーの授業について,事後アンケートをしたところ,「保健学習で,今回のように専門の講師の方に来ていただいて,講義を受けるということについてどう思うか」という問いについて,「授業の内容が深まってよい」と答えた生徒が,全体で85.6%(男子:73.6%,女子:98%)いた。生徒にとって有益な授業であったのではないかと考える。
同じく,「自分の健康や性に関する興味・関心が高まったか?」という問いについて,「はい」と答えた生徒が,全体で69.2%(男子:58.5%,女子:80.4%)いた。この結果からも,女子生徒の方がやや関心が高いようであるが,全体的には「自己健康管理能力」の育成を図る第一歩を踏み出す良い機会となったと考えられる。

【授業後の生徒感想(一部)】

  • 二次性徴と命がどう関係しているのかがよく分かった。(男子)
  • 人間には個人差があるのだから,別に焦らなくてもよいと思った。(女子)
  • ちょっと不安だったことも不安じゃなくなって良かった。(女子)
  • 自分のことと照らし合わせた。 (男子)
  • 直接話せて,質問や相談ができて良かった。 (男子)
  • 先生が2人いて,分かりやすかった。 (男子)
(2) 今後の課題
① 内容の取り扱いについて
教科体育の保健分野の内容として取り扱うのか,特別活動の内容として取り扱うのか,検討をしっかりしておくことが大切である。今回は,教科体育の保健分野の内容として取り扱うということで取り組んだ。ただし,「生命の尊さ」について心情面を深めるために,出産についても取り扱ったので,特別活動で扱う「生命の誕生」への導入としての価値をもつ授業になったと思われる。
② 学習方法の工夫について
ゲストティーチャーと教師の関わり方及び各種の学習方法における教師の支援の仕方等についての研修をしていく必要がある。
③ 講師の方との日程調整について
授業や講演の希望日時と講師の方との都合の調整に苦慮した。今回は,偶然日程の調整が順調に進んだが,難しい場合もあるように感じた。
④ 授業前の事前の打合せ時間の確保について
授業のねらいやめあてを達成させるために,事前に授業についての打合せをすることが必要となる。そのための時間の確保が,校務多忙な中,その時間設定に苦慮した。学校へ来校していただいたり,教員が,講師の方の自宅を訪問したりと大変であった。