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中学校保健体育

掲載日:平成27年09月17日
課題解決に向けた仲間との関わり
~器械運動『集団マット運動』を通して~

山形県西川町立西川中学校 教諭 橋本 佳久

1 主題設定の理由と研究のねらい

 器械運動は、マット・跳び箱・鉄棒・平均台を使った「技」によって構成される運動で、「技がよりよくできる」ことをねらいとし、自己の体の動かし方や練習を工夫することでねらいの達成に取り組む運動であり、器械運動を通して自己のバランス感覚や筋力、基礎的な体の動かし方を身につける運動でもある。そして、自分の力に応じた課題をめあてとし、新しい技ができるようになったり、より大きな技を体感したりした時に達成感を感じる運動でもある。しかし、何度挑戦してもできないと楽しさを感じることのできない特性がある。したがって、器械運動では、「自己の能力に適した技に挑み、その課題を解決していくことで喜びを味わうことができるようにすること」が大切である。また、得意・不得意が明確になるため、好き・嫌いもはっきりする単元である。段階的に技能の向上が見られる場合は良いが、停滞してしまうと「楽しくない」「友達に見られたくない」などの意欲減退につながりかねない。器械運動は仲間との関わりを持ちやすい運動なので、補助やアドバイス活動を通して、意欲や技能の向上を目指したいと考え、本研究主題を設定した。

2 単元名と目指す生徒の姿

  • (1)単元名 器械運動「集団マット運動」 第3学年 男子12名 女子14名 計26名
  • (2)単元目標
    • ①次の運動について、技ができる楽しさや喜びを味わい、自己に適した技で演技することができるようにする。マット運動では、回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと、条件を変えた技、発展技を行うこと、それらを構成し演技すること。【 技能 】
    • ②器械運動に自主的に取り組むとともに、よい演技を讃えようとすること、自己の責任を果たそうとすることなどや、健康・安全を確保することができるようにする。【 態度 】
    • ③技の名称や行い方、体力の高め方、運動観察の方法などを理解し、自己の課題に応じた運動の取組み方を工夫できるようにする。【 知識,思考・判断 】
  • (3)指導と評価の計画(8時間)(○数字:指導機会、●数字:評価機会)
    指導と評価の計画(8時間)
  • (4)目指す生徒の姿
    • ○コミュニケーションを図りながら練習し、互いにアドバイスし合うことで課題を発見し、解決に向けて取り組める生徒。
    • ○できる技・補助付きでできる技・できない技を明確にし、自分やグループに合った演技を構成できる生徒。

3 具体的な手立て

  • (1)意欲的な活動ができるよう、見通しを持たせ、活動させる。
    • ・学習カードを活用し、授業全体の計画や毎時間のめあてについて確認させる。
  • (2)明確なめあてが設定できるよう、技の行ない方やポイントを示した資料を活用する。
    • ・教科書だけでなく、技のポイントが明確になる掲示物やプリントを配布し活用させる。
  • (3)1つの技の完成まで段階的な出来栄えチェックをさせることで、達成感を数多く経験させる。
    • ・技能の向上を目指した取り組みの中で、達成感がより高いものとなるように段階的な評価項目を提示する。
  • (4)互いのよさや課題に気づけるよう観察する技のポイントを指導し、補助し合えるようにする。
    • ・互いの演技を見合いアドバイスすることや、ICT(タブレット)を活用して自分達の演技を見ることで客観的な視点で課題発見ができるようにする。

4 実践【なか4時間目 中間発表会】

実践 <授業の流れ>
 目標:部分的な演技を見合うことで、発表会での演技構成を行うための改善すべきポイントや互いの良さを知ることができるようにする。

  • ①準備運動・体操・基本技練習
  • ②集合・整列・挨拶
  • ③本時の目標と授業の流れの確認
  • ④部分演技構成⇔練習
    実践
  • ⑤部分演技発表⇒アドバイス活動(タブレットで撮影)
  • ⑥アドバイス用紙と演技映像から課題発見
    実践
  • ⑦本時のまとめ
    実践

5 成果と課題(事後研究会抜粋)

≪成果≫

  • ○集団演技を取り入れたことで、苦手な生徒も消極的にならずに動きやすかった。
  • ○活動の流れを把握できていたので、見通しを持って活動できていた。
  • ○アドバイス用紙を使うことで、見る視点が明確で良かった。
  • ○タブレットで映像を仲間からのアドバイスと照らし合わせながら見ることができていたので、課題を確かめ次時の活動目標が持てていた。

≪課題≫

  • ●難易度の高い技にチャレンジしたい生徒もいるのではないか。個人練習の時間確保。
  • ●自分達の演技を見てもらう際の「視点」も考えさせることもできる。
  • ●リズムやカウントの取らせ方や動かずに待つ時間の工夫があればよい。
  • ●練習時の場の設定でローテーションできると効率よく活動できるのではないか。