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小学校道徳

掲載日:平成25年5月31日

6年 いつまでも仲間

埼玉県川口市立戸塚東小学校 佐々木今日子

1卒業を前に

 本学級は、四月の学級会で学級目標を『仲間と共にレッツトライ』と決めスタートした。児童は、いろいろな場面で学級全体で協力し活動することができる。学習では、班での実験や調理実習、給食や清掃ももめる場面は、少ない。特に、バレーボールやサッカーなどのチーム活動は、男女の差をあまり感じずに楽しく教え合っている。運動会の「組体操」では、男女が一緒のグループでピラミッドなどの大技に取り組み成功している。

 しかし、そんな児童の意識調査では、約三割の児童が「男女であまり協力できていない」と感じていた。理由は、「休み時間に一緒に遊んでいない」「自分からは、あまり異性に話しかけていない」等があげられた。児童は、今より更に男女仲良く助け合いたいと感じている。卒業まで二か月を切った今、改めて学級のまとまりや男女の仲について考え、話し合いたいと思った。

2授業の実際

  • ● 資料名「いつまでも仲間」

    出典旧みんなのどうとく (学習研究社)

  • ● ねらい 学級の友達は、互いに信頼し合い、男女仲良く協力して助け合う態度を育てる。

    [2ー(3)友情・信頼、助け合い]

  • ● 資料のあらすじ

     主人公の明は、六年一組の学級委員。五年から一緒の学級なのに、少しのことで冷やかされたり、話し合いも対立したりと男子と女子の仲が悪いことに悩んでいる。二学期に入り、みち子が交通事故で両足のけがをしたが、男子は女子からのお見舞いの誘いも賛成せず、車いすで登校したときに手伝うこともしない。明も迷うが、勇気が出ない。遠足の日、目的地のお寺は百段以上の階段の上。車いすのみち子は「下で待っている。」と言う。そのとき、明は車いすを持ち上げることを手伝うときっぱり言う。その言葉で男子全員が手伝い、このできごとをきっかけに学級の男女がまとまり、卒業の日を迎えるという話である。

  • ● 指導の工夫

    • 学習課題をもつ

      資料の範読の後で、話し合いたいところを発言させる際、場面にこだわらず、「なぜ主人公は、・・・したのか。」や「本当の・・・・とは。」など大きな視点で課題を共有して話し合いを深める。

    • 少人数の話し合い

      明が「車いすを運ぶのを手伝う」と言った気持ちを全員で話し合ってから、更に男子全員が車いすを運ぶ場面の男子・女子・みち子・明の気持ちを少人数で話し合う。その際、名前の書いてある四枚のカードをグループごとに配り、それぞれ誰の気持ちを発言しているのか分かるようにして話すようにする。学級がまとまっていく大切な場面でそれぞれの立場の子どもの考えを広く出させたい。

  • ● 主人公「明」の気持ちを中心に話し合う

     範読後、児童から出された課題は『なぜ明は、それまで言えなかったのに、車いすを運ぶのを手伝うと言えたのか。』と『階段を運ぶときのクラスみんなの気持ちはどうだったか』であった。その場面を中心にし、他の場面は短時間で進めた。

    • みち子が交通事故で入院し、女子に「お見舞いに行こうといわれたとき、明はどう思ったか。」

      • 年賀状の時のようにからかわれるのはいやだ。
      • 男女が分かれているので、女子はいいや。男子との関係が大事。
      • 学級委員としては、男女仲良くして欲しいけど。男子は、誰もついてきてくれないだろう。
    • 遠足で、百段以上の階段を前に、明は何を考えて「手伝うよ。」と言ったのか。

      • ぼくが手伝うことで、みんなが仲良くなる。
      • 「六年一組は今しかない」と言われた先生の言葉を思い出した。
      • 遠足をきっかけに、仲良くなりたい。

        T 友達からからかわれるかもしれないよ。

      • いやだけど、自分がみち子さんの立場だったら、手伝って欲しい。
      • このチャンスを逃すと、まとまるときはない。
      • 女子が困っている。今まで、手伝いたいのを我慢していた。学級委員だし。

        T 学級委員という立場だから、手伝うの。

      • 学級委員ということだけじゃなく、がんばっているみち子さんは、本当はお寺を見たいと思うから。
      • お見舞いも行けなかったし、登校しても手伝えなかったからこそ、今手伝いたい。

      (補)みち子の乗った車いすを男子全員が運んでいるとき、クラスのみんなは何を思っていただろう。グループで話し合おう。

      • 男子・・・本当は、手伝いたかった。

        誰かが言ってくれるのを待っていた。

      • 女子・・・みちこさんを誘ってよかった。

        きっかけがあれば、協力できる。

      • みち子・・手伝ってくれてありがとう。
      • 明・・・・言ってよかった。協力してくれて嬉しい。

        自分の気持ちが届いた。

    • 卒業式の日、黒板に描いてあった「いつまでも仲間」の文字を見つめている明は、どんなことを思ったか。

      • 男女協力できるクラスになってよかった。

      • いつまでも仲間でいたい。

  • ● 振り返り

    • 私は、なぜあなたが学級委員に選ばれたのかが分かりました。明君は、いつもいつもクラスのことを考えていたのですね。「手伝うよ。」と言ったとき、すごく勇気がないと言い出せなかったと思います。他の男子も本当は言いたかったけど、言えなかったのだと思います。私のクラスは、アンケートの結果あまり男女協力ができていないという人がまだいるので、自分から声をかけてできるように意識をしていきたいです。
    • 本当の「仲良く」とは、どういう気持ちで相手を見ているかだと思います。ただ話すだけでなく、相手の気持ちを考え行動できることが大切だと思います。私は、男子とも話すし、委員会の活動も一緒にしています。卒業までもっと仲良くできるようにしていきたいです。
    • ぼくのクラスは、男女関係なく協力し合うクラスになってきていると思います。でも、ぼくはあまり女子に自分から直接話しかけることはできていません。たくさん話すことはできなくても、普通に話せるようにしたいです。
    • 男女仲良くなるには、話し合いやグループ活動が大切だと思います。話し合いをすれば、誰がどんなことを思っているか分かるし、少人数の活動でよりどんな人か分かり合えるからです。私もこの「六年一組という時」を大事にしたいと思います。

3終わりに

 感想の中に「卒業まで少しになりました。この道徳の時間をきっかけに、六年一組みんなが男女仲良くをより意識できたらいいなと思いました。」とあった。道徳の授業中、資料の青木先生の思いに触れることを忘れてしまったが、私も、子ども達を信じ、見守ることを大切にしたいと感じた。

 子どもたちもよりよい人間関係を求めている。道徳の時間は、一人一人のよさの表れる時間である。

 笑顔で胸を張って卒業する姿を見送りたいと思う。