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小学校体育(保健)

掲載日:平成25年12月10日
1~6年 マット運動 「友達とかかわり合うマット運動」

宮城県仙台市立若林小学校

1.はじめに

 本校では,平成24年度から仙台市の自主公開校の認定を受け,学校全体でマット運動の研究に取り組んできました。マット運動でできる喜びを味わうために,友達とのかかわりを生かすことを研究の中心において,10月の公開研究会を迎えました。

2.授業を行うまでに準備したこと

(1)発達段階における系統表の作成

 まず,学年ごとにどんな技を教えて良いか技の系統表の作成を行いました。

(2)学年ごとの評価規準の作成

 技の系統をもとに評価規準も作成しました。

 このように,各学年でどんな技を教え,どう評価するかを決め,学年・学級の児童の実態に合わせて指導過程を工夫していくようにしました。

(3)発達段階におけるかかわり合いのとらえの作成

 個人で取り組むことが多いマット運動ですが,子どもたち同士の見合いや励まし合いを取り入れることで,できる喜びをより多く味わえるのではないかと考えて,「かかわり合いの学年別のとらえ」を作成しました。

3.授業の実際

(1) 課題解決学習における段階の設定

 本校の体育科における学習の段階は以下の通りです。

①知る → ②探る → ③わかる → ④高める → ⑤まとめる

 この流れを毎時間繰り返すことで,子どもたちはめあて達成に向けて,自分で進歩の度合いを感じながら,見通しを持って取り組んでいけると考えています。

(2) 課題の設定の工夫

 本校では,「めあて」を子どもたちができるようになりたい技,「課題」を子どもたちができるようになるための必要不可欠な技能ととらえています。
 例えば,倒立で言えば「課題」は腕支持や目線,脚の振り上げ,背屈といった技能であり,前転で言えば頭越しや順次接触,脚の振り下ろし等の技能となります。それを学年の発達段階に合わせて効果的に与え,実感させてきました。

(3) 効果的なかかわり合いの工夫

 個人克服型といわれる器械運動ではありますが,友達同士のかかわり合いは児童の意欲を高め,見合う視点を持たせれば,技能面での高まりも望めると考え,かかわり合いに力を入れてきました。
 かかわり合いには以下のポイントがあると考えています。

グルーピングの工夫

  • ・生活班 ・めあてに応じた班
  • ・人間関係に配慮した班 等

場におけるかかわり合いの工夫

  • ・場での役割分担の確認
  • ・見合う場所の指定
  • ・めあての友達との共有
  • ・互いに見合いできばえを知らせる
  • ・良いかかわり方の例示 等

技の視点をつかませるための発問の工夫

  • ・与える(上手な子や教師の支援,ICT機器)
  • ・選ばせる(ABの視点の選択)
  • ・探らせる(どういう体の使い方をすれば目的とする動きになるか等)

(4) 学習カードの工夫

 学習カードは,子どもたちが互いに見合いながら,学習を進めることができるように,技ごとにスモールステップを設定し,合格ポイントが書かれているものを作成しました。
 ステップアップカードと呼び,子どもたちに浸透しています

3年学習カード(ステップアップカード)

4.成果と課題

学校全体でマット運動に取り組めたことで,発達段階に応じた指導ができ,職員も自分の学年で教えていくべき指導内容を意識して教材研究,授業づくりに取り組むことができました。
学習カードを技ごとのスモールステップで作成したことで,子どもたちが自分たちでめあてに向けた学習活動が可能になりました。
見る視点を明確化したり,活動に応じてグループに配慮したりしてかかわらせることで,子どもたちは,自分の技だけでなく友達の動きにも関心をもって運動することができました。
かかわり合いは,普段のクラスでの人間関係やグループ活動,言語活動のあり方によって大きく変わるため,体育だけではなく様々な領域でのかかわり合いが大切となります。