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小学校体育(保健)

掲載日:平成25年12月10日
4年 育ちゆく体とわたし

宮城県仙台市立富沢小学校 渡部弥生 加賀玉枝

1 はじめに

 本校では,平成23年度より3年間,健康教育推進協力校としての指定を受け,体育,保健,食育に関する指導の充実に努めてきた。
 今回は,平成23年度に行った二次性徴についての授業を紹介する。

2 授業の概要

(1)単元名「育ちゆく体とわたし」

(2)単元の目標

体の発育・発達に関心を持ち,健康で安全な生活を送ろうとしている。

【関心・意欲・態度】

発育を促すには,食事,運動,休養,睡眠の調和のとれた生活を送ることが必要であることを知り,今までの自分の生活を振り返って,具体的な行動目標を考えることができる。

【思考・判断】

体は,思春期になると次第に大人の体に近づき,体つきが変わったり,初経や精通などが起こったりすることを理解することができる。また体の発育・発達は個人差があることを理解することができる。

【知識・理解】

(3)指導に当たって

 この単元は,「体の発育・発達と生活」「思春期の体の変化」の2つの柱で構成されている。
 「思春期の体の変化」では,体つきの変化や体の中の変化について理解させると共に,思春期には心も変化することにも触れたいと考える。さらに,これらの変化は,個人差があることや,誰にでも起こる現象であることを押さえたい。

(4)研究の視点

自分で気づく・考える・生かす学習活動の工夫
【手だて1】学習教材の工夫
 児童の興味・関心を高めるとともに,二次性徴を表す難解な言葉への抵抗感を少なくするために,グループでのキーワード合わせゲームを取り入れる。
【手だて2】養護教諭とのTT指導
 本単元では,専門的な用語が多く出てくるため,養護教諭とのTT形態で授業を進める。これは,養護教諭の専門性を生かすだけでなく,今後の個別指導にも役立てたいというねらいがある。
【手だて3】保護者との連携 
 保護者に事前にアンケートをとり,二次性徴について親子でどの程度話題にしているか等,実態を把握する。また,家庭でも話題を共有できるよう,授業の内容や時期を事前に知らせ,希望があれば授業を参観してもらう。

(5)単元指導計画(全4時間)

学習項目
「大きくなってきた私の体」
「すくすく育て わたしの体」
「おとなに近づく体」
「体の中でも始まっている変化」(本時)

(6)本時の授業

①本時のねらい(4/4)

 思春期に起こる体の内側や心の変化は大人に近づいている現象であり,個人差があることを理解することができる。

【知識・理解】

②準備物
掲示物「男子の成長」「女子の成長」(アーニ出版)
グラフ「初経,精通を経験した人」
キーワード合わせ用カード,ホワイトボード
「性の絵本②」(大月書店)
・ワークシート
③学習過程

主な学習過程・予想される児童の反応 指導上の注意点
○担任 ●養護教諭

1.前時の学習を想起する。 (3分)
2.本時の課題を確認する。 (2分)
思春期に体の中でも始まる変化について知ろう。
前時は体つきの変化について学習したことを振り返させる。
 

3.

キーワード合わせゲームをする。
《卵子・月経・初経・射精・精通 他》

「初経」は「初めて」という意味じゃないかな。

教科書に「射精」の意味が書いてあるよ。

(5分)

4.

女子の性器と月経,男子の性器と射精のしくみや,発育の個人差について知る。

(15分)

5.

体験談を聞く。《養護教諭・男性教諭》

(5分)

6.

本の読み聞かせを聞く。

異性を好きになることも心の変化なんだね。

(5分)

7.

感想を交流する。

体や心の成長には個人差があることが分かって安心した。

(5分)

ゲームの方法を説明する。グループで話し合わせた後に答え合わせをする。
机間指導をしながら,児童の理解を把握する。

図やグラフを利用し,体の内側の変化や個人差について説明する。

自分の初潮の体験談験を話す。

絵本を読み聞かせし,思春期の体や心の変化について考えさせる。

感想を交流させることで,児童同士で考えを広めさせる。


8.

本時のまとめをする。

(5分)

思春期の体や心の変化は,おとなに近づいているしるしであり,個人差がある。これからは自分や友達の体や心を大切にしたい。

学習内容をまとめることで,考えをさらに深めさせる。

3 授業の成果と課題

(1)成果

【手だて1】学習教材の工夫
 授業の導入にキーワード合わせゲームを取り入れることで,学習に対する興味や関心が高まった。「射精」や「月経」などの専門的な言葉のカ-ドと,その意味が書いてあるカードを探し,答えが合うようグループの男女で協力しながら考え,作業する姿が見られた。
【手だて2】養護教諭とのTT指導
 養護教諭とのTTを行うことで,専門性を生かした指導をすることができた。
 また,女子を対象とした生理用品の使い方などの個別指導にも役立てることができた。
【手だて3】保護者との連携
 保護者にアンケートをとったことで,二次性徴について,男子児童の多くは家庭で話していないという実態が分かった。そこで本時では,男性教諭が自分の体験を話すという機会を取り入れた。
授業を参観した保護者からは,「温かい授業で安心した。」「家庭でも話題にしたい。」といった感想が多数寄せられた。

(2)課題

 今回は,保護者に二次性徴に関するアンケートをとったり,学年便りで授業内容を知らせたりした。参観は希望者のみであったが,さらに多くの保護者の方に見ていただく機会を設け,共通理解を図る必要があると考える。また,ワークシートの形式は,家庭でも親子で学習内容を振り返ることができるような工夫をする必要があると考える。

参考文献:『ゲームで保健の授業!』(上條晴夫編著/東山書房)