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小学校体育(保健)

掲載日:平成26年2月18日
3年 表現運動(表現) 『ポップコーン』

岐阜県羽島市立竹鼻小学校 吉井剛

1.はじめに

 「表現運動」とは,表したいイメージや思いを自由に表現すること,即興的な表現と簡単な創作をすることが楽しい運動である。
 中学年では「題材の主な特徴をとらえて,表したい感じを大きく・小さく,速く・遅くなど,動きに差をつけて誇張したり,2人で対応する動きを繰り返したりして,ひと流れの動きにして即興的に踊ること」をねらいとして学習していく。
 そこで,本単元では「ポップコーン」を題材として取り上げ,身近な生活の中からイメージがとらえやすく多様な感じをひと流れの動きで表現できるようにしていく。また,ポップコーンには,動きに変化があるので,感じの異なる動きや急変する場面をつなげて「はじめと終わり」を付けた動きを工夫できるように考えた。そして,単元を通して,「ポップコーン」が勢いよくはじける様子を感じさせ,全身を使って表現できることをねらいとした。

2.指導目標

ポップコーンがいろいろな方向へ勢いよくはじける様子の特徴をとらえ,全身を使い動きを組み合わせたり,繰り返したりして踊ることができる。

3.指導計画(全4時間)

第1時:
単元で目指す姿と学習の仕方を知り,学習の見通しをもち,グループのテーマを決めることができる。
第2時:
空間の使い方を工夫して,勢いよくはじける様子を表現することができる。
第3時:
身体の使い方を工夫して,勢いよくはじける様子を表現することができる。
第4時:
グループでポップコーンがはじける様子を,見る人に伝わるように,全身で表すことができる。

4.具体的な実践事例

(1)導入の工夫

① 準備運動の工夫

 表現する喜びを味わうためには,授業のスタートである準備運動において,心も体も解放し,心と体のスイッチを入れることが大切であると考えた。そして,その単元での目指す姿の基礎的な要素を含む動きを身に付けることができるようにしたいと考え,ウォーミングアップダンスの内容を工夫した。

音楽に合わせてグループで1列になり,いろいろな歩き方で進む。先頭は順に交代する。
いろいろな歩き方をすることで,いろいろな部位を動かすことを意識できるようにした。また,先頭は順番に交代するため自分の動きを真似されることで,自己有用感を感じられるようにした。
カルタをめくる。その指示に従って動いたり,ポーズをしたりする。(ア,イを繰り返す。)
さらに,カルタをめくりすぐに踊ることで,即興表現できるようにした。

[カルタ例]

  • ユラユラ
  • ビリビリ
  • バチバチ
  • メラメラ
  • ドロドロ
  • など
第3時の導入の場面

【第3時の導入の場面】

② 課題解決の見通しがもてる提示の工夫

 本単元では,毎時間,本時の活動にかかわる「おどりを高める視点」を設定した。「おどりを高める視点」とは,本時の活動においての,「おどりの見方」や「工夫の仕方」のことである。そこを既習事項と関わらせながら段階的に高めていくことができるようにした。そして,自分がイメージしたポップコーンに近付くために,「おどりを高める視点」で追求できるように,課題設定で段階的に2回動きを提示した。

  • 1回目は,全体の動きをつかめるようにする。
  • 2回目は,部分の動きに着目できるようにする。
    (部分を見やすくするために見せたい場所にシールを貼る)

(2)学習環境や学習活動の工夫

① グループボードの活用

 子どもたちは,イメージした動きに近付くために,「踊る」「見る」をくり返し行っていく。そこで,気付いたことや考えたことを書き込んでいけるようにグループボードを作成し,グループ反省会の時間に書き込めるようにした。そうしたことで,めあてを発表するときには,ボードを見ながら発表する子が多くなった。また,今までの自分の高まりや仲間の動きのよさを比較しながらめあてを発表したり,仲間によさを伝えたりする子が多くなった。

グループボードグループボード

【グループボード】

② よりよい動きを追求する場の位置付け

 上述のように,見合い教え合い活動を充実させることで,動きの質を高めることができると考えた。そのためには,仲間の頑張りや動きのよさを伝え合う場の設定が必要である。
 毎時間,動きをつくる場面では,よりよい動きを追求するために音楽を活用し,踊る場面と交流する場面を位置付けた。

自分がどこにこだわって踊るのか(めあて)話す。(30秒音楽なし)
「はじめ」「なか」「終わり」をつけて踊る。(1分音楽あり)
自分の動きを振り返る,仲間のよさを伝える,次のめあてを話す。(30秒音楽なし)
(イ,ウを繰り返す)

 このように,お互いの動きを見合ったり,自分が動いて考えたことを伝えたりする時間を,活動中に意図的に組み込んだ。また,本時では,目指す姿に向かってグループ練習で高めた動きを認め合う場を位置付け,仲間のよさを見付けたり,自分たちのよさを再確認したりした。

③ 仲間のよさを伝え合う場の設定

 グループ練習で,「おどりを高める視点【空間】【身体】」で高めた動きを,認め合う場(ペアグループで授業の終末で見合う)を位置付けた。そこで,ペアグループの動きのよさを見付けたり,自分たちの良さを再確認したりした。

授業の終末の発表会の場面授業の終末の発表会の場面

【授業の終末の発表会の場面】

5.成果と課題

「おどりを高める視点【身体】」の使い方を意識できるようにウォーミングアップダンスを工夫したことで,練習のときに「おどりを高める視点【身体】」の使い方を意識しながら,動くことができている子が増えた。
今回の実践では,グループボードを使う場面が,計画会と反省会に限られていた。動きを高めていくためにも,練習中に使わせていきたい。そのためにペアの動きを見るときや,踊った後に書き込むなど効果的なグループボードの使い方を考える必要がある。