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小学校体育(保健)

掲載日:平成26年12月02日
表現運動(表現)
「みんなでおまつり」

岐阜県羽島市立竹鼻小学校 戸田 有紀

1 はじめに

3年生の表現運動では,「身近な生活などの題材からその主な特徴をとらえ,表したい感じを表現する。」ことをねらいとして学習していく。
本単元では,「祭り」を題材として取り上げる。竹鼻の町では,古くから「竹鼻祭り」「七夕祭り」「なまず祭り」といった祭りが毎年行われる。総合的な学習の時間では,それらについて調べ学習を進めており,児童たちにとっては身近で,関心の高いものである。「祭り」という言葉からイメージできたのは,「かき氷」「花火」「ポップコーン」であった。それらを題材として取り上げ,特徴ある動きを組み合わせたり繰り返したりして,動きを誇張しながら踊れるようにしていった。

2 指導目標

題材の主な特徴をとらえ,対比する動きを組み合わせたり繰り返したりして,
表したいイメージや思いを中心に仲間と交流しながら踊ることができる。(技能)

3 指導計画(全5時間)

第1時:お祭りのいろいろな様子を見て,音や様子をじっくり観察し,リズム言葉を言いながら動いたり,特徴を見付けて踊ったりする。お祭りのイメージカルタをめくり,即興的に踊る。
第2時:かき氷ができる様子を観て,カチカチの氷からふわふわのかき氷ができる様子を,固い感じと柔らかくふわっとした感じの特徴をとらえて踊る。
第3時:花火のVTRを観て,様々な色の光が四方八方に輝く様子を,動く速さや向きを工夫しながら,特徴をとらえて踊る。
第4時:ポップコーンができるVTRを見て,勢いよく弾けるポップコーンの様子を,全身を使って大きく跳んだり仲間とともに交流しながら踊ったりする。
第5時:「みんなでおまつり」のさまざまな場面の気に入ったシーンを選び,ひと流れの動きにして踊る。

4 具体的な実践事例 (主に第4時について)

(1)技能向上に結び付く思考・判断を高める工夫

①目指す動きを明らかにし,見通しがもてる課題化の工夫

課題化では,ポップコーンが実際に出来上がる様子のVTRを見せ,「勢いよく弾け跳ぶ」というポップコーンの特徴を全員で確認し共有できるようにした。さらに動きを引き出すために,VTRを再度見せ,ポップコーンの動きを擬音語や擬態語にして一緒に言うことで,動くときのリズムをとらえさせた。また,それらの言葉を板書し,自分の動きを増やしたい時の参考になるようにした。さらに,学習カードには,自分のなりたいポップコーンを擬音語や擬態語で記録し,いつでも見える場所に掲示しておいた。

【第4時の課題化の場面】

【VTRの提示】
・1回目...ポップコーンの特徴を全員で共有する。
・2回目...擬音語や擬態語をつぶやきながら観る。
 スローで再生しより詳しく観られるようにする。

②とらえた動きを自らの動きにつなげる学習活動の工夫

前半活動では,教師と一緒に動いて,個々がポップコーンの価値ある動きを身に付けて動けるようにした。「価値ある動き」とは,勢いよく弾けるポップコーンを手を大きく広げてジャンプして動いたり,様々な方向に弾けるポップコーンを斜めや横などいろいろな方向に飛び跳ねて動いたりと身体や空間の使い方を意識して動くことである。そして,中間交流会では,仲間と一緒に踊ることにより,勢いよく弾ける様子がよりよく伝わることに気付かせ,後半活動ではグループで踊ることのよさを伝えた。また,表したい感じを大小,方向や遅速の変化を付け動きに差をつけて誇張したり,グループ内で同調する動きを繰り返したりして,価値ある動きを忠実に表しているグループの手本となった踊りを真似して一緒に踊ってみた。同じ動きを実際にしてみることで,仲間の動きのよさが実感でき,自分の動きに取り入れるきっかけとなり,後半活動で動きを高めるための手立てとした。

【前半活動にて教師と一緒に価値ある動きを身に付けるようにする】

【中間交流会にて仲間の動きを交流することで価値ある動きを広める】

(2)仲間と相互援助し合い,主体的な活動ができる学習集団の工夫

中学年では,仲間の動きを見つめ,進んで動きを教えることができる姿を目指している。単元を通して,毎時間3~4人のグループで活動した。2グループずつで兄弟グループとし,ペアを位置付け,ペアの動きの高まりを認め合う場を設定した。単位時間の中では,交流会(本時の学習のまとめとしての見合う活動)の前に,グループで表したいイメージについて,兄弟グループに伝え,よい動きを中心に見付けて具体的に話せるようにした。グループの仲間と一緒に踊ることで,より勢いよく弾けるポップコーンを表現している所と,グループ内での個の動きのよさとの二つの視点で話せるようにした。

【グループ・ペア交流】
  • ・後半活動の前...グループの表したい感じを打ち合わせる。
  • ・交流会の前...自分の表したい感じをペアに話す。グループの表したい感じを兄弟グループに話す。
  • ・交流会の後...グループの仲間と一緒に踊って見つけたよさとグループ内での個(ペア)の動きのよさをペアで交流する。

【グループでの打ち合わせとペア交流の様子】

5 成果と課題

  • ○課題化では,始めに全体の動きを見て,次に視点を明確にして部分の動きをとらえることで,児童は技術ポイントを明確にとらえ,見通しをもって学習することができた。
  • ○動きのよさを伝え合う活動を仕組むことで,よりよい動きに向かって互いに見合い教え合う姿が増えてきた。
  • ●子どもたち一人一人の運動の見方を育てたり,仲間との関わりを促したりする効果的な指導についてさらに追究していく必要がある。