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小学校体育(保健)

掲載日:平成26年12月02日
ゲーム(ゴール型)
「ラインサッカー」

岐阜県羽島市立竹鼻小学校 高橋 浩之

1 はじめに

ラインサッカーは,サッカーに類似しているゲームであり,中学年を対象に,簡単な足でのボール操作で実態に応じてルールを工夫して行うものである。また,ボールを足で操るため,視線が下に行きやすく,周囲の状況を判断することが難しいゲームでもある。よって,上達のためには,ボール操作,状況判断,ボールを持っていない時の動きが重要となる。
本単元では,攻撃に転じようとする時に,相手をかわして前方のプレーヤーにパスをする中間のつなぎ役を手で扱うことができるラインマンを配置する。そうすることによって,中学年というボール操作が未熟な児童でも,安定して攻撃ができるようにしていく。つまり,プレーヤーが,ラインマンに素早く渡すことで,ラインマンがどこにボールを転がし入れるか。また,前方のプレーヤーはどの位置でラインマンからのパスを受け取るかによってシュートにつながる場面が増えてくると考えた。また,ゲームに対する児童の運動欲求を満たし,本単元の目標が達成できるように以下のようにルールを設定した。

◆コート:32m×14m 2面
  • ◆ゴール:8m×0.5m
  • ◆チーム:7~8人×4チーム
  • ◆プレーヤー:コート内 3人対3人
    GK 1名・ラインマン 2名
  • ◆ラインマン:サイドライン沿いに各チーム2名ずつラインマンを配置。ラインからボールが出たら,どちらかのチームのラインマンがボールを転がし入れる。直接ゴールすることはできない。
  • ◆ボール:4号のソフトサッカーボール

このような条件を設定したのは,児童が日常ボールを蹴る遊びをすることは少ないからである。

2 指導目標

ボールを保持したら素早く攻撃に転じるために,転がっているボールを確実に止めたり,大きく蹴り出したりするボール操作や空いている場所に移動する動きを身に付け,シュートを打つゴール型のゲームができる。(技能)

3 指導計画(全6時間)

第1時:ゲームや審判,学習の仕方など,ルールとともに理解し,目指すゲームや個々の動きを知り,態度,思考・判断,技能について,単元の見通しをもつことができる。また,自分やチームの課題をつかむことができる。(オリエンテーション・試しのゲーム)
第2時:自分の周りにきたボールを止めて蹴ることができる。また,味方やラインマンにパスをしたり,ゴールに向かって蹴ったりできる。 (ゲーム①)
第3時:相手の攻撃を止めたらすぐに味方やラインマンにパスをしたり,前方に蹴り出したりして,チーム全員で攻撃するゲームができる。 (ゲーム②)
第4時:守備でボールを奪ったらラインマンにパスをして空いている場所に移動してパスを受け取り,ゴールに向かって蹴ることができる。 (ゲーム③)
第5時:チームの状況に応じて,シュートまでの動きを考え,つないで攻めるゲームができる。 (リーグ戦①)
第6時:ボールを素早く蹴ったり,確実にボールを止めたりして,シュートまでつなぐゲームができる。また,空いている場所に動いてボールを蹴ることができる。(リーグ戦②)

4 具体的な実践事例(主に第4時について)

(1)技能向上に結び付く思考・判断を高める工夫

①目指す動きを明らかにし,見通しがもてる課題化の工夫

課題提示では,前時の授業のゲーム展開について振り返りを行った。前時での,攻撃に転じようとすると相手チームにボールを奪われたり,パスを止められたりした場面を抽出し,どのようにゲームを展開するとシュートまでボールを運べるかを考えた。本時では,守備をしている時にボールを奪ったら,ボールを保持せずに素早くサイドにいるラインマンにパスをして,空いている場所に転がし入れることで,相手が守備を行う前にシュートへとつないでいけることを考えさせた。

【前時の様相と本時のめざす様相を共通理解する】

また,ボールを持たない味方は,ラインマンがボールを保持した時,空いている場所に走り出し,素早くシュートに結び付けたい。そのために,味方がボールを保持した時,「走れ」などの瞬時のタイミングを示す声かけを生かして,攻撃に素早く転じる展開をめざした。具体的には,課題提示の時に,「いつ」「どこへ」「どうする」という視点で,ボールを持った時とボールを持っていない時,ラインマンのパスする方向など児童の動きを言葉と実際の動きで明確にさせた。

【実際に動いて課題を理解する】

②とらえた動きを自らの動きにつなげる学習活動の工夫

全体会での話し合いを受けて,本時,何に着目してゲームを行うかを改めてリーダーに話させグループ全員に確認させた。その後,実際にコート内でボールを保持している子の動きと同時に,ラインマンやボールを持たない子の動きを体感させたことで,前時までの攻撃に転じる時に行き詰まってしまった動きと本時のシュートへ結びつく動きの違いやゲーム中にそれぞれの立場で何を意識するかを,実際の動きを通して理解させた。

※全体会...授業の始めと終末に学級全体に向けて,指導や意見交流をする場

(2)仲間と相互援助し合い,主体的な活動ができる学習集団の育成

よりよい動きを追求し合うためには,仲間との見合い,教え合う活動が必要であると考えた。そこで中学年では,授業前の自分の動きとゲーム後の自分の動きを比較したり,自分の動きと仲間(示範)の動きを比較したりして伝え合うことができるように,意図的な指名をしたりめざす動きを示した児童を抽出したりして全体会や中間研究会を仕組んだ。本単元では,仲間の動きをコート上で示し,めざす姿と比較することで,練習ゲームによって改善しようとするきっかけとした。

※中間研究会...授業の中盤で,前半ゲームの姿を受けて,指導改善や再確認をすることを共通理解する場

【中間研究会で再確認する】

5 成果と課題

  • ○1単位時間授業の導入において,目指す動きを全体(ゲームの様相)でとらえる場と,部分(一人一人の動き)でとらえる場を設け,それぞれの動きをとらえたことで,高めるための技術ポイントが明らかになり,見通しをもって練習に取り組む姿が増えてきた。
  • ●一人一人の運動の見方を育てたり,仲間との関わりを促したりする効果的な指導について更に追究していく必要がある。