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特別支援

掲載日:平成25年8月20日

〔連載〕
運動が苦手な子も,発達が気になる子も
「やったー!」を体感できる体育の授業のために①

はじめに

星槎大学准教授 阿部利彦

 学校の中で、子どもの「できる・できない」がはっきり見える活動というと、やはり体育や音楽といった実技科目が挙げられます。

 中でも、体育の得意不得意は子どもたちの大きな関心事です。それは、子どもたちの中に、運動ができる=かっこよくて一目おかれる存在、という価値観が浸透しているからでしょう。ですから体育が苦手だと、「とろい」「どんくさい」など、その子のマイナス評価に直結してしまいます。

 また、たとえば算数や国語ができないことでクラスメイトに迷惑をかける可能性は低いのに対し、ボールの扱いが苦手だったり、足が遅かったりすると、競争場面でチームやクラスの足をひっぱってしまう心配が生じます。

 つまり、体育の苦手さが、その子の学校生活全般に大きな影響を及ぼす場合があるのです。運動会の練習や体育祭をきっかけに不登校になってしまうケースもあります。他者の評価に敏感な子どもにとって、「体育」は精神的プレッシャーを強く感じる場面なのです。

 一方で、自己の体をうまくコントロールできるようになると、日常生活で生じる様々な危険も回避できるため、体育というのはもしかしたらその子の人生をも左右する要素になり得ます。

 運動が苦手な子や発達が気になる子への具体的な指導法を知り、実践することで、その子の学校生活、ひいては将来の生活を豊かにしてあげられるのです。

 この連載を通じて、子どもたちがたくさんの「できた」「やれた」をリアルに体感できるように、先生方のお手伝いをさせていただけたら、そう考えています。

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